出展申込について

草履の未来への取り組みについてお話を伺った、専務取締役の軽部陽介さん(左)と、製造部部長の軽部聡さん(右)の写真

国産い草製品でバイヤーを魅了し
さらなる製品開発を続ける「アムツムグ」。
日本の伝統を次世代へつなぐ
繊維資材メーカーの新たな試み

【有限会社シンメ「アムツムグ」】大阪

古くから商いの町として知られる大阪府。中でも繊維業界においては、国際競争が激化する中で近年その規模は縮小傾向にあるものの、大阪府の繊維産業は依然として国内トップクラスの規模を有している。今回取材した大阪府高槻市の“有限会社シンメ”は、国産い草をはじめさまざまな繊維の製造・加工・卸を行う繊維資材メーカーだ。2017年に国産い草の雑貨ブランド「amtsumg(アムツムグ)」を立ち上げ、2019年、2022年と2回にわたり、中小企業総合展 in Gift Showへ出展し、販路を開拓してきた。

「日本の伝統的な素材である国産い草の魅力を伝え、次世代へつながる物語を紡ぎたい」という想いを込めて、こだわりのものづくりにチャレンジする代表取締役の真目祐治さんと真目芳美さんに、中小企業総合展出展の成果と今後のビジョンについて話を聞いた。

国産い草文化を次世代へ伝えるために
スタートした新プロジェクト

創業1983年のシンメは、国産い草を使った花ゴザなど生活用品の資材をつくる繊維資材メーカー。織元として機屋、染工場などを束ねながら企画製造を手掛ける企業である。住居様式の変化に伴って畳離れが進む中、国産い草を使った花ゴザも市場は縮小傾向にあった。そんな中、2代目社長の真目祐治さんは、2010年頃からオリジナルい草製品の開発をスタートする。「天然のい草は調湿機能も高く日本の風土に合った素晴らしい素材です。私自身、畳や花ゴザといったい草製品が好きですし、この文化をなくしたくない。原料農家をはじめとする、い草に携わるつくり手の皆さんの一助にもなればという想いで、B to Bビジネスから一歩踏み出し、ものづくりという新プロジェクトにチャレンジしました」と当時を振り返る。

畳や花ゴザという足下の製品から手元のアイテムへ、という斬新な発想で7年の歳月をかけてつくられた新製品のブックカバーが評価され、2018年に「大阪ものづくり優良企業賞『匠』」を受賞。それをきっかけに、本格的に販路開拓へ乗り出すべく展示会への出展を検討することとなる。「ブックカバーというアイテムがら、当初は文具系の展示会も候補に挙がりましたが、なんといっても日本最大級の見本市であるギフトショーは魅力に感じていました。とはいえ、雑貨事業を立ち上げて間もない私どもにとっては、出展にかかる経費はとても高額でハードルが高い。そんな時に商工会議所やMOBIOから勧められたのが「中小企業総合展 in Gift Show」だったのです」。

いぐさ写真 いぐさ写真
ものづくり風景写真 ものづくり風景写真

総合展は、多様なカテゴリーのバイヤーの
目に触れるチャンス!

初出展は2019年のことだった。「実際に出展して改めて実感したのは、ギフトショーは出展者もバイヤーもさまざまなジャンルの方が参加するので、販路開拓はもちろん、マーケティング的な側面でも学ぶことが多かったです。2017年のブランド立ち上げ以降、文具業界には問屋さんを介して卸していましたが、中小企業総合展では文具以外にも多様なカテゴリーのバイヤーさんと商談の機会を得ることができて、そのメリットは非常に大きいですね。中小企業総合展というネームバリューも影響力があると思います。もちろん、出展当日に決まる商談ばかりではありませんが、半年後に改めて連絡がきたというケースもありました。展示会はそうした種を蒔く場だと捉えています」と祐治さんは初出展時の印象を語る。

「中小企業総合展 in Gift Showのもう一つのメリットは、手厚いサポートにあります。事前に説明会があって、ブースをどうディスプレイすればよいかなど、細かくフォローしていただけたので安心して本番に臨むことができました。とはいえ初めての経験でしたので、ターゲットはどこを狙うか、お客様に何を提案できるかなど、未知数のこと、戸惑うことが多く、次への課題が残ったのも事実です」と芳美さん。

また、3日間の会期中に中小企業総合展の出展者同士で交流が深まったことも大きな収穫だったという。「お互いにジャンルは違うものの、同じ中小企業という立場で率直な意見交換できました。会期終了後も交流は続いていて、いつか商品開発でのコラボレーションが実現するかもしれません」。

出店風景写真2019 出店風景写真2019

出店風景写真2022 出店風景写真2022

2回目の出展で自社の強みをPR!
開発力でステージアップを目指す

初出展から3年後の2022年、中小企業総合展に再び参加したアムツムグのブースの最前列に並んでいたのは、スマートフォンケースの新シリーズだった。「2回目となる今回は、ギフトショーに合わせて開発した新シリーズを大々的に打ち出し、インパクトのあるブースになったと思います」。そう芳美さんが語る2回目の出展には2つの背景があった。実は、2019年の事前説明会で「一番PRしたい商品に絞り込んでディスプレイする方が効果的」とアドバイスがあったにもかかわらず、初回出展時は全アイテムをディスプレイしてしまい、物足りなさを感じたまま終わってしまったのだという。

もうひとつの背景は、バイヤーからの商談に対して、『オリジナル商品を提案できる開発力』という武器を持って挑むことができたことだ。「初回出展時に『スマートフォンケースの角を丸みのあるデザインにできないのか?』と来場者に問われたことがきっかけとなりました。い草という素材の特性上、技術的に困難な要望だったのですが、投げかけられた言葉は3年間ずっと開発課題として頭の片隅にあったのです」。もともと前職で自動車関連の技術者という経歴を持つ祐治さんのつくり手魂に火がつき、ギフトショーの開催に間に合わせて新シリーズの開発が叶ったのである。

「2019年の出展でニーズを探り、それからの3年間で私どもの強みである、商品の開発力とものづくり力を再認識することができたと感じています。今回の出展で前面に出している商品はスマートフォンケースでも、い草という素材の面白さに惹きつけられて足を止めるバイヤーさんがかえって増え、どんなニーズを投げかけられても、提案ができる体制で臨むことができました」。

新シリーズのスマートフォンケース写真

国産い草製品の認知度を上げ、
い草に携わる皆さんの一助となりたい

ポートレート写真 ポートレート写真 「中小企業総合展への出展目的は、販路の拡大だけではありません。国産の天然素材い草の魅力をより多くの人へ伝えてファンづくりをしていくには、製品のクオリティが何より重要です。丁寧なものづくりに力を注ぎながら、ギフトショーのような大きな舞台で、マーケティングを重ねて新たな製品開発に挑み、徐々にアムツムグというブランドをステージアップさせていきたいですね。少しでもい草のファンが増えることで、い草に携わる皆さんの現場へ還元できる、そんな好循環を生み出すものづくりをしていきたいと考えています」と今後のビジョンを語った。

また、出展を検討されている企業に向け、アドバイスをいただいた。
「中小企業総合展 in Gift Showへの出展を検討されている方、中でも特に私どものようにB to Bから新たな事業領域に乗り出した企業の方にお伝えしたいのは、『すぐに売上に直結する』ことを狙うと逆にハードルが高くなるということです。商談成立以外にも、中小企業総合展というネームバリューやバイヤーのカテゴリーの幅広さ、ギフトショー出展経験という信頼などなど、メリットはたくさんありますので、まずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか」。

い草雑貨という新カテゴリーを創造したシンメは、国産い草が持つポテンシャルをさらに模索しながら、次なる舞台へ向けてまた新たなチャレンジを始めている。

企業DATA

有限会社シンメ

事業内容
繊維資材の企画・製造・加工、卸 / 国産い草製品の企画・
製造、卸・小売 / インターネット事業
所在地
大阪府高槻市安岡寺町3-19-2
URL
https://www.amtsumg.com
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